8月29日 野口啓示先生「子どもとのコミュニケーション」

 西区民文化センター3階大会議室にて、福山市立大学准教授 野口啓示先生を講師にお迎えして開催しました。

 

 参加者は、医師、弁護士、心理士、教員、保育士、福祉関係者、保護者など73名。 新型コロナウィルス対策のために、講師の野口先生はフェイスシールドを着用され、換気を行いながらの講演会となりました。

 

 前半は児童養護施設やファミリーホームで勤務されてきた野口先生が、諸外国に比べ日本ではまだまだ浸透していない里親制度により子どもを育てた経験を中心にお話ししてくださいました。

 後半は、子どもとのコミュニケーションをどうとっていくか、ペアレントトレーニングの観点からコミュニケーションのコツを分かりやすく伝えていただきました。

 子どもの問題行動に対してイライラを募らせ暴力的なしつけで対処してしまうと、子どもとの関係が悪化しコミュニケーションの質量が低下する。その結果ますます子どもの問題行動が増えるといったバッドサイクルに陥ってしまう。それに対し、子どもに対して褒める、教えるしつけで対処することで、子どもとの関係が改善し、子どもとのコミュニケーションの質量の増加、その結果問題行動も減っていくというグッドサイクルを生む。グッドサイクルに持ち込むには、問題行動をなくそうとするのではなく、良い行動を増やしていくこと。「しつけとは、親の愛情を伝えるコミュニケーション」であり、コントロールしたり、矯正したりすることではない。

 

 里親としてたくさんの子どもの人生に関わり、父の日にお子さんにプレゼントされた日本酒を嬉しそうに紹介されたり、感情に流され否定的な言葉を投げかけ「バッドサイクル」を味わったご自身の体験も関西弁でざっくばらんにお話しされる野口先生。身近な言葉で分かりやすく実践できる子どもとのコミュニケーションを学べました。