12/15 第3回「 第2期発達障がいの発見とその後の支援に関するキャリア研修会」

 翌日の12月15日(日)は、中央公民館で、引き続き近藤先生に「発達段階に現れる発達障がいの特性と支援の仕方」についてお話しいただきました。

当初風邪のため声がかすれて苦しそうに話されていましたが、途中から、70名を超える参加者の笑いを何度も誘いながら、パワフルなお話しをしてくださいました。

子どもを支援するうえでの基本的視点について、発達検査結果がそのまま発達相談にはならないこと。子どもが求めるものが「時間帯」「相手」「場所」によって異なることを踏まえ、保育所など支援場所で取り組むことと家庭での取り組みの違いを話されました。

子どもの世界を広げるのは昼間の生活・活動の豊かさであり、子どもが楽しめる場を、子どもの好きなこと・関心などの世界を広げることを重視し、仲間との関わりは急がずに、本人のペースで安心して関わることを保障することも大切と指摘されました。

母親はみな「若葉マーク」だから、母に甘え母を受け止められるために家庭で取り組みやすいことで、母親にとっても楽しいことからを提案してあげることが大切、母の笑顔が子どもの笑顔につながると話されました。

兄弟や父親への支援も自覚し、ハッピーエンドを保障することを心がけようと呼びかけられました。

1・5歳児乳幼児健診で大切にしたいこととして、障害の有無ではなく育児困難感を支えること、安心できる「教室」を保障し、マッサージや揺らし、抱き方等を実体験する場にする。保護者の気分転換の保障、そしてしんどい時のための福祉的支援を行う場につなげることの大切さを話され、具体的な関係の築き方やあそびなどを紹介されました。

子どもに障がいがある場合の困難については特に配慮し、親の責任ではないことをはっきり伝え、「育てにくさ」があることを理解してもらう努力が必要と言われ、「好きな活動」を開発し好きな大人を広げることや、操作や行動に「間」を作るための道具や教材、「目標」の設定の話がありました。

「親子教室」の大切さについて、子どもの変化・可能性・可愛さに気づき、次の支援への保護者の抵抗をやわらげることが目標に、親子療育の必要性を感じてもらうことだと話されました。

発達段階に現れる障がいの特性の現れ方や支援の内容についても具体的に話され、障がいのある子が見せる集団生活でのトラブルや家での荒れなどの受け止め方や背景の理解につながりました。

3歳児健診は、自他の区別・見本の模倣・斜めの意識を見る。大切な取り組みの視点として、こころの居場所を保障する。集団の中で同じ活動をしなくても「こころの参加」も尊重する。子どもの思いを受け止め、仲間の中で認められるように、役立つ自分を感じられる機会をつくることが大切と指摘されました。

5歳児健診よりも大切なのは「本人のしんどさ」「持ち味」を把握することで、その様子は、集団で観ることが必要と話されました。

午後のケース会は、近藤先生が準備されたケースの支援開始直後と半年後の2つの個別の指導計画について、グループごとに話し合い、各グループの発表や近藤先生のコメントでしっかり学べました。

多くの方がアンケートに答えてくださり、今後呼びたい講師に、近藤先生のお名前を書かれた方が10名を超えるなど大変充実した研修会でした。