6/23 第4回 発達障害の発見とその後の支援に関するキャリア研修会 「ケース会議におけるアセスメントと発達支援ー学齢期に視点をあててー」

6月23日(日)10:00~16:00、南区地域福祉センターで、北九州市立大学教授の楠凡之先生を講師にお迎えし、第1期のキャリア研修会の最終回を行いました。

テーマは、「ケース会議におけるアセスメントと発達支援-学齢期に視点をあてて-」で、60数名の参加でした。

楠先生は、これまでのキャリア研修内容(特に幼児期の発達)に触れながら、7歳頃、9・10歳頃の発達的特徴を中心に、高機能自閉症児における「9・10歳の発達の節目」の持つ意味や「9・10歳の発達の節目」を豊かに超えるための教育指導上の留意点について、具体的な例を挙げてわかりやすく話されました。

2・3歳頃に獲得する力や4・5歳で獲得する力がどのように抽象的思考力を培うか、また、抽象的力を身につけるために就学直前や小学校低学年ではどのような力を獲得するのかについてのお話しもあり、子どもの発達を豊かに見る視点が学べました。

子どもが主体的に選び決めることの大切さも話され、「子どもの権利条約」の第12条、「意見表明権」に触れながら、発達障がいのある子どもの感じ方、他者や世界に対する見え方、すなわち”view”を共感的に理解して応答していく必要性についても語られました。

   アセスメントは、子どもの表面的な行動の背後にある願いや内的葛藤への「共感的理解」が求められること、問題行動をなくそうと捉えるのではなく、発達要求として理解し、もう一つ高いレベルの活動と人間関係を求めている姿として理解する視点の大切さを指摘されました。

 午後からの演習では、グループに分かれて事例について意見交換し、各グループの報告に楠先生がコメントされました。

 楠先生の総合的で深い視点に立ったそれぞれの事例に対するアセスメントは、大変勉強になり、参加者にとっては各自何を研修していくべきかが明確になった時間でした。

    先生の著書「自閉症スペクトラム障害の子どもへの発達援助と学級づくり」もたくさん方がご購入されていました。